【保存版】2022年:読んでよかったFAS専門書籍6選

FAS実務

皆様、あけましておめでとうございます!2022年を振り返ると「仕事、仕事、仕事、、、」。あれ?仕事しかしてない?

というのは大袈裟ですが、ここ数年で一番働いた気もします。そのため当サイトもなかなか更新できていませんでした(言い訳)。私に限らずプロフェッショナルの皆さんは、2022年も実務論点の整理のためにたくさん書籍等でインプットされたと思います。

私もいろんな案件でいろんな論点にぶつかり、たくさんの書籍にお世話になりました。専門書籍に関する記事は既に何本か書いてはいますが、当記事では2022年に読んで良かった比較的新しい書籍を中心にご紹介したいと思います!

FASのアドバイザー必読!?2022年のオススメ専門書籍6選

[新解釈]コーポレートファイナンス理論

読みやすさ:★★★★★
オススメ度:★★★★☆

本書は「実務で活用したい専門書籍」という位置づけではありませんが、オススメの一冊なので紹介させてください。

この書籍、「実務上こういうものだから」と整理している部分を掘り下げて新しい示唆を与えてくれる本でした。難解な数式が並んでいたり小難しい話が淡々と書かれているわけではないため、コーポレートファイナンスに馴染みがなくとも興味さえあればさくさく読める本という認識です。なのでFAS業務の未経験者がコーポレートファイナンスの入門書として手に取ってみても良いと思います。

が、一番読んで欲しいのはある程度コーポレートファイナンスを理解もしくは実務で触れている人たちです!上述のとおり「これはこういうもの」と実務上置いている仮定(前提)部分にも触れられており、実務家として持っておくべき視点を整理して頭に入れることができます。本書を読んで実務に臨むと、いつも見ている景色とまた違ったものが見えてくるかもしれません。

ザ・M&Aディール 企業買収・売却プロセス実践対策集

読みやすさ:★★★☆☆
オススメ度:★★★★☆

BIG4 M&Aアドバイザリーファームの一つ、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社(DTFA)が手掛けて出版された書籍になります。

Buy-sideとSell-sideで明確に章が分けられており、それぞれのアドバイザーがディールの中で果たすべき役割が見えやすい構成となっています。実務におけるディールの流れについて、他の書籍ではいまいちイメージがつかみづらいという方は一度手に取ってみてください。各フェーズごとに検討すべき論点や作成資料の例等も散りばめられているため、理解しやすいと思います。

税務からみたM&A・組織再編成のストラクチャー選択

読みやすさ:★★☆☆☆
オススメ度:★★★★★

FASの業務においてストラクチャーに係る税務論点を押さえておくことは重要です。税金は直接的にキャッシュフローに跳ねてくるため、FAS実務に従事する人は避けて通れません。かくいう私も当然に理解しておかなくてはならないところなのですが、関与する案件で遭遇する論点を潰していく程度で、網羅的にストラクチャーに係る税務論点を理解するということはしてきませんでした。

しかし、年次的にそうも言ってられなくなってきてしまい、手に取ったのが本書です。私自身が税務論点アレルギーなところもあり決して読みやすくはなかったのですが、内容としては分かりやすくまとめられており、これまで理解が曖昧なまま放置していた部分がクリアになりました。

特にフィナンシャルアドバイザリー(FA)、バリュエーション(VAL)、事業再生部門の方は読んでおいて損はないと思います。

事業再生ファイナンスの実務

読みやすさ:★★☆☆☆
オススメ度:★★★★☆

昨年とある再生案件に関与する機会がありました。その案件の中で事業再生部門の人が何を言っているのか分からず、彼らにオススメの書籍を聞いて手に取ったのが本書です。DIP(Debtor in Posession)ファイナンスについて詳細が書かれている本なのですが、なんとなく私の頭の中には法的整理手続において使用されるワードというイメージがありました。ですが広義では私的整理においても使用されるとのことで、法的整理・私的整理それぞれにおけるDIPファイナンスの取り扱いや、私的整理→法的整理となった場合の論点等が分かりやすく記載されています。

私自身が再生の畑ではないため最初とっつきづらく、読みやすさ★2としていますが事業再生部門の方はもう少しサクサク読めるでしょうし、必読の書だと思います。

バリュエーションの理論と実務

読みやすさ:★★★☆☆
オススメ度:★★★★★

バリュエーション実務に従事したことがある方は分かる思いますが、実務上の論点に絶対的な正解があるケースはほとんどありません。なので例えば「証券会社ではAと整理しているけれど、FASではBと整理している」みたいなことが起こり、いずれの整理も各社の理論をもって完全に否定することはできなかったりします。

本書は、そういった各論点整理についてそれぞれが参照している理論の妥当性を、裁判事例等を用いて検証しています。本書に関して私が気に入っているのは、各論点の根拠文献が列挙されており、まるでLiterature Review(レビュー論文)を読んでいるような感覚で読み進めることができる点です。私はアカデミアに身を置く期間が長かったため、比較的読みやすく感じました。但し、全読者が私と類似したバックグラウンドではないと思いますので、読みやすさは★3としています。

PPAの評価 無形資産・動産の基礎から実務まで

読みやすさ:★★★☆☆
オススメ度:★★★★★

PPA(Purchase Price Allocaiton: 取得価額の配分)に実務で関わる人(FASで言えばVAL部門に所属する人)以外は手に取る必要がないかもしれませんが、実務でPPAに触れたことがある人にとっては良書と感じることでしょう。詳細は下記の記事でも触れていますので、関心のある方は是非のぞいてみてください。

まとめ

他にも業務を遂行する中でいろんな本を手に取っていますが、2022年に個人的に良かったかなと思った書籍6冊をピックアップしてみました。読者の皆さんもいろんな本を読まれていると思います。オススメの書籍があれば是非質問箱等で教えてください!

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以上です!

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