FAS/コンサル転職:関与プレイヤーから見る業界分析

転職/キャリア

今回は、BIG4 M&Aアドバイザリーファーム(FAS)とBIG4コンサルティングファームにおいて関与するプレイヤーを切り口として業界分析をしてみたいと思います。

私がBIG4コンサルティングファームからBIG4 M&Aアドバイザリーファーム(FAS)に移って面白いなと思ったことの一つに、業務上関わるプレイヤーが全く異なるというのがあります。総合コンサル時代にどの現場でも顔を合わせていたようなプレイヤーと、今はほとんど関りがありません。サービスラインが違うので当然関与するプレイヤーもある程度異なるだろうということは予想していたものの、前職でよく一緒に仕事をしていたプレイヤーとこんなにも会わなくなるとは正直思っていませんでした。全く違う業界に来たのだなということを、関与するプレイヤーを見て日々強く感じています。

そんな私がやってみたかったのが、それぞれの関与プレイヤーのカオスマップを作成することです。ぼんやりと頭の中にはあったもののアウトプットしていなかったので、この記事の投稿にあたって作成してみました。そちらをベースに進めていけたらと思います!

BIG4 FAS/コンサルにて関与する主要プレイヤー

カオスマップと作成前提

早速ですが、BIG4 FAS/コンサルにて関与する主要プレイヤーを示したカオスマップを以下に掲載いたします。

こちらは私自身や同僚が案件の中で直接関わったプレイヤーや現場で出会ったプレイヤーをまとめてみました。他にも挙げていくと色んなプレイヤーと関わっていますが、スペースの関係で主要な法人もしくは私自身が実際に一緒に仕事をした法人を中心にピックアップしています。したがって、網羅性を担保するものではないためその点ご留意ください。また、所属部門等によっても関与プレイヤーは変わってくる可能性がありますので、併せてご留意ください。

カテゴリーについて、FASにて関与するプレイヤーを4分類、総合コンサルにて関与するプレイヤーを3分類、両者共通のものを2分類としていますが、これらのカテゴリー分けも綺麗に分けられるものではありません。あくまで一般的なものであると私が認識しているカテゴリー分けをしていますので、その点ご了承ください。

BIG4 FASにて関与する主要プレイヤー

独立系FAS

独立系FASの分類としては、GCAとプルータスを取りあげました。業界においてよく名前を聞くプレイヤーであり、以下の記事で紹介したリフィニティブのM&Aリーグテーブルにおいても毎年名前を見かけるプレイヤーです。BIG4 FASとの関係としては、競合という位置づけになります。

データベース

FAS業務、特にフィナンシャルアドバイザリー(FA)業務やバリュエーション業務において頻繁に使用する代表的なデータベースとして、S&P Global社のCapital IQとBloomberg社から提供されるBloomberg端末があります。加重平均資本コスト(WACC)の構成要素であるβや財務データを簡単に取得できるので便利です。以下の記事でも解説していますが、βを手動で計算するのはなかなか面倒なので、こういったデータベースがあるのは実務者としてはありがたいです。

金融機関

ここで取り上げたのは日系の証券会社4社ですが、競合というよりは相手方のアドバイザーとして出現するパターンが多い気がします。資金調達等金融機関の強みを活かす形でBIG4 FASよりも大きい案件を対象としているため、みずほ証券を除き、競合として案件を取り合っている印象はあまりありません。

ファンドカテゴリー

ファンド4社を挙げましたが、FAS実務においてはこれ以外のファンドとも関わる機会があります。特に財務デューディリジェンス(FDD)部門においては、ファンドからのFDD依頼を対応する機会が一定程度あり、ファームによってはファンドチームを組成してファンドと共に凄まじいハードワークに励んでいます。

法律事務所

FA部門やバリュエーション部門では、ディールにおける法務論点を把握しておくことは重要です。ここでは四大法律事務所を紹介しましたが、他の法律事務所とも一緒に仕事をさせていただいており、主に法務デューディリジェンスレポートの作成やTOB案件における特別委員会のサポートでお世話になっています。

BIG4コンサルにて関与する主要プレイヤー

戦略

BIG4コンサルと直接競合することは少ないですが、BIG4ファームが戦略ファームを取り込んだり、BCGを中心に戦略ファームが実行まで支援をするようになってきた関係で両者の提供サービスの境界は曖昧になりつつあります。戦略ファームは、BIG4 FASのストラテジー部門とも競合するものの、私自身は前職で顔を合わせたり名前を聞いたりすることの方が多かったです。

総合

アクセンチュアを中心とした総合コンサルファーム群ですが、BIG4コンサルとの事業領域はほぼ一致しており、競合となります。私が新卒の頃は、BIG4コンサル以外の総合系だとアクセンチュアかアビームのどちらかという感じでしたが、近年ベイカレントが優秀な人材を集めてそのプレゼンスを高めてきており、より競争が激化しそうです。

IT

ITコンサルというよりもITベンダーというイメージが強いファーム群です。BIG4コンサルとの関係性としては、競合というよりは協業しながら案件を進めていくイメージで、ビジネス要件やシステム要件をBIG4コンサルにて固め、製品パッケージの導入や保守運用の部分で徐々にITファーム群にバトンを渡していきます。

BIG4 FAS/BIG4コンサルの両方にて関与するプレイヤー

BIG4

BIG4とまとめてしまいましたが、それぞれ監査法人、コンサル、FAS、税理士法人を抱えています。組織変更等でワンファームに複数サービスラインを抱えているファームもありますが、これは体制だけの問題であり、基本的な機能としては各社大体同じであると理解しています。コンサルでは監査法人のアドバイザリー部門と時々コラボする程度でしたが、FASは監査法人・税理士法人との協業案件は多く、同じBIG4の中でも関与するサービスラインが異なります。

シンクタンク

シンクタンクは何をしているところなのか分かりづらいのですが、幅広くいろんなことをやっていてFAS実務においても報告会で出会ったことがあります。基本的にはIT寄りのサービスやリサーチ業務が中心で、これからもそちらを伸ばしていく方針であるという認識ですが、戦略案件やM&Aにも時々関与しているようなそんな組織だと理解しています。

まとめ

いかがでしたか?同じBIG4でもサービスラインが違うと業務上関与するプレイヤーが全く異なってくることがご認識いただけたのではないでしょうか。BIG4 FASからBIG4コンサルという方はそう多くないと思いますが、その逆は私含め一定数いらっしゃいます。その際に、自身が行きたい業界と合致しているのかという部分は一度検討された方が良いと思います。コンサル⇒FASの移動は不可逆的ではないにしても、その後積めるキャリアというのはかなり変わってきますので、その辺りも認識された上でキャリアを選択されると良いと思います。

また、監査法人からのキャリアアップでサービスラインの移動を検討されている方についても同様に、自身がIT寄り(コンサル)のキャリアを望むのか、ファイナンス寄り(FAS)のキャリアを望むのかという観点で、上記のカオスマップを参考にじっくり検討してみてください。

こういったカオスマップは、コンサルティング専門のエージェントにて、より詳細なものを面談時に配布してもらえます。自身のバックグラウンドと希望転職先へのステップ等具体的なアドバイスもくれるので、大手の専門エージェントとは繋がりを持っておいて損はないと思います。私も定期的にキャリアの棚卸をしているので、時々大手エージェントに連絡を取って非公開求人を送ってもらったりしています。

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コンサル業界については別途以下の記事で簡単にまとめていますので、関心のある方はそちらも合わせてご参照ください。

当記事及び紹介記事が皆様のキャリア開発のお役に立てば幸いです!

以上です!

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