M&Aファーム(FAS)実務が分かる:WACC計算まとめ

FAS実務

当ページは、BIG4 M&Aアドバイザリーファーム(FAS)の中の人が書く、加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital:WACC)算定のポータルページです。当ページは次のご要望にお応えできると考えています。

  • これから学習する方:基本的なWACC算定実務を学習したい
  • 論点を整理したい方:WACC算定における論点整理の参考情報が欲しい
  • 事業会社の経理の方:減損テストで使用する割引率を合理的に説明可能な範囲で下げたい

WACCの構成要素と算定プロセス

WACCは次の計算式で求めることが可能です。

WACC = 株主資本コスト × 資本比率 + 負債コスト(税引後)× 負債比率

株主資本コスト

株主資本コストの算定式は以下の通りです。

株主資本コスト = RFR + β × ERP + 固有のリスクプレミアム

リスクフリーレート(RFR)

随時公開予定

β(ベータ)

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エクイティリスクプレミアム(ERP)

固有のリスクプレミアム

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負債コスト

負債コスト(税引後)の算定式は以下の通りです。

負債コスト(税引後)= 負債コスト(税引前)×(1 – 法人税率)

負債コスト(税引前)

法人税率

資本負債比率

資本比率

随時公開予定

負債比率

海外WACC算定に必要な要素

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WACCを引き下げるには?

案1:類似会社を再検討する

WACC算定のファーストステップとして類似会社選定がありますが、WACCの結果は類似会社の影響を大きく受けます。そのため、類似会社の入れ替えによって大きくWACCの水準を動かすことが可能となります。但し、明らかに結果ありきで恣意的に選定されたように見えてしまうと後で炎上しますので、あくまで「合理的な範囲内」で検討する必要があります。

案2:デットの取り扱いを検討する

デットの取り扱いにつき、グロスデットで整理ができないかを検討します。グロスデットの考え方に着地できれば負債比率が引き上がり、株主資本コストよりもコストの低い負債コストの割合が高くなって、結果としてWACCの水準を下げることに繋がります。

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