FAS転職希望者必見:無資格未経験からのBIG4 FAS転職スキーム

転職/キャリア

当記事は、BIG4 M&Aアドバイザリー(FAS)ファームを目指しているものの、現状のステータスだと現職から直接FASに転職することが困難と思われる方向けに、BIG4 FASへのステップアップスキームを紹介するものです。一方で、読者の現職からの直接転職が100%不可能であることを主張、または当記事で紹介するスキームで100% BIG4 FASに転職可能であることを保障するものではありませんので、その点ご留意ください。

当記事では、以下の3つのスキームに関して、想定対象者についても触れながら話を進めます。

  • 独立系FAS活用スキーム
  • BIG4メンバーファーム活用スキーム
  • 事業会社部門異動活用スキーム

無資格未経験からのBIG4 FAS転職スキーム

各スキームの実現難易度とBIG4 FAS内定確度

各スキームの解説に移る前に、それぞれのスキームの実現難易度とスキーム利用によるBIG4 FASへの内定確度について触れておきたいと思います。以下に図で示しますが、すべてのパターンがこれに当てはまるわけではないため、あくまで参考程度に見てください。

上図において、比較のために金融機関の投資銀行部門とBIG4 FAS(他ファーム)を入れています。投資銀行部門は入社難易度が高い一方で、FAS業務との親和性は高いため、希望すればBIG4 FASへの入社は容易です。BIG4 FAS間での移動も同様に比較的容易となります。当記事は、無資格未経験でBIG4 FASを目指すという内容で書くためこれら2つのパターンは対象外となります。繰り返しとなりますが、あくまで全体の比較感を示すために配置しています。

残り3つの円に関して、どれが最も優秀な選択肢かというと、難易度が高く内定確度が高いものになります。したがって、独立系FASを利用したスキームが、無資格未経験者にとって最適なスキームであると言えます。次いで、BIG4メンバーファーム活用スキーム、事業会社部門異動活用スキームと続きます。このように位置づけている理由についてはこの後解説していきます。BIG4メンバーファームの円を大きくしている理由は、監査法人、コンサルティングファーム、税理士法人等を含んでいるためです。特に優位であることを示すためにサイズを大きくしているわけではないためご注意ください。

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独立系FAS活用スキーム

独立系FAS活用スキームについて見ていきます。想定対象者は、下記組織の在籍者になります。

  • 中堅中小事業会社(コーポレート部門/非コーポレート部門)

ここでの独立系FASの定義ですが、比較的大きなディールを扱っているGCAや評価の専門家集団であるプルータス等ではなく、フロンティアマネジメントや山田コンサルティング、AGS等を想定しています。いずれも在籍者のバックグラウンドは多様であり、業界経験有無に関わらず人材を採用している印象があり、例えば中堅事業会社営業職からの転職者もいたりします。特に営業職種からのジョインだと、最初はカバレッジ等がメインにはなってきますが、各社デリバリーのクオリティが極度に低いわけではなくナレッジも蓄積されているので、在籍して案件にコミットしていれば、相応のM&A関連経験も積めるものと認識しています。BIG4 FASにおいては、上記のような独立系FAS在籍者も一定数おり、実際にM&Aとは無関係な職種から当該スキームを利用して転職されてきた方も私の同僚にいます。

独立系FAS活用スキームの良いところは、事業会社コーポレート部門の所属でなくても活用できる点と、現職が大手企業でなくてもBIG4 FASへの転職確度が高い点にあります。比較的幅広い人材が対象となり得る、学歴や現状のステータスに縛られないこのスキームは、非常に優秀なスキームであると私は認識しています。

BIG4メンバーファーム活用スキーム

続いてBIG4メンバーファーム活用スキームを見てみましょう。想定対象者としては下記組織の在籍者です。

  • 大手事業会社(非コーポレート部門/非システムベンダー)
  • 中堅中小事業会社(コーポレート部門/非システムベンダー)
  • システムベンダー

以下で、各所属組織別に活用方法を書いていきたいと思います。

大手事業会社(非コーポレート部門/非システムベンダー)

例えば大手事業会社の営業職等を考えてみましょう。BIG4コンサルティングファームでは、ソリューションとインダストリーのマトリクスを組み、マトリクス上の各セルに適した人材を投入することで、クライアントの幅広いニーズに応えています。BIG4コンサルは毎年多くの新卒人員を採用していますが、プロパーメンバーは主にソリューションを武器として案件に従事していきます。一方で、インダストリー(業界)に対する知見は圧倒的に足りません。そこで、中途採用人員によってインダストリー部分の知見を補っています。よって、仮にコーポレート部門所属でなくとも、業界において一定のシェアを誇るプレイヤーの従業員であれば割とウェルカムなのです。実際に私のBIG4コンサル時代の同僚にも営業出身者がいましたし、クライアントとのコミュニケーションはプロパーの私よりもはるかに上手でした。上記はBIG4コンサルをメインに書きましたが、クライアント業界プレイヤーの従業員に対する採用意欲は、監査法人のアドバイザリー部門においても同様に存在するものと認識しています。

中途採用でBIG4コンサル等にジョインをし、そこからFASへ行こうという方は少ないのですが、BIG4コンサルから毎年一定数BIG4 FASに人材が移っていることからも、大手事業会社(非コーポレート部門/非システムベンダー)⇒BIG4コンサル⇒BIG4 FASというキャリアパスは可能なものとして認識しています。また、大手事業会社からの転職者は成長意欲がある方が多いと認識しており、実際にBIG4コンサルに移った後にUSCPA(米国公認会計士)の学習を始めた方も何名か知っています。そうしてナレッジ補強もしていけばBIG4 FASへの採用確度は引き上がるのではないかと考えます。

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中堅中小事業会社(コーポレート部門/非システムベンダー)

中堅中小事業会社であってもコーポレート部門の所属であれば、BIG4においては一定の評価を得られると認識しています。移転価格税制等を扱う部門に在籍していた方が税理士法人へ行ったり、財務会計周りのオペレーションや工場での原価計算等を担当されていた方がコンサルティングや監査法人アドバイザリー部門へジョインすることはあり得るものと認識しています。当然認知度の低い企業であれば書類で落とされてしまう可能性もありますが、現職の所属における実績を適切にアピールできればオファー獲得の可能性は十分あります。所属組織の大小に関わらず、コーポレート部門での業務経験は、コンサルティング業務やFAS業務との親和性が高いため、BIG4 FASへのステップアップスキームとしては有効に機能するものと考えています。

システムベンダー

システムベンダーも事業会社だろという話なのですが、システムベンダーからBIG4コンサルへジョインする方が多いため、あえて分離しました。システムベンダー出身者がBIG4 FASにおいて財務デューディリジェンス(FDD)やフィナンシャルアドバイザリー(FA)業務をしているイメージは全くありませんが、BIG4コンサルや監査法人アドバイザリー部門からリスク系のコンサルファームやサイバーセキュリティ系の会社に移る方がいることを考えると、例えばFASのフォレンジック部門へジョインするというのはあり得る話だと認識しています。

BIG4メンバーファーム活用スキームに関する補足

私は新卒からBIG4にジョインしたため、そこが自分の社会人生活の当たり前であり、その恩恵を肌で感じることはありませんでした。ただ、転職活動を始めた際に「BIG4」に所属していることの価値を知りました。もちろん転職活動時の「若さ」のプレミアムはかなり考慮されていたと認識していますが、例えそうであったとしてもBIG4ファームにおける書類や面接の通過率は想像以上でした。ある程度切られることを見越して応募していたため、各社の選考のために凄まじい忙しさとなりました。ほぼ同時期にBIG4コンサルからBIG4 FASへ移った知人も、私より年齢は上でしたがすんなり通っていました。

このように、BIG4のメンバファーム内もしくはBIG4間で転職するということは、BIG4外から転職するよりもEASYだと思います。これは単純にレファレンスが取りやすかったり(逆効果となる場合もありますが)、何をやっているかが受け入れ側で割と明確に把握できるからだと認識しています。また、どこかしらのBIG4選考に通っているのだからと、一種の学歴フィルター的な役割も担っているように感じます。

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事業会社部門異動活用スキーム

続いて事業会社部門異動活用スキームについて見ていきます。想定対象者の所属組織は以下の通りです。

  • 大手事業会社(非コーポレート部門)

私は事業会社での在籍経験がないため外から聞いた話をベースに書くことしかできないのですが、このスキームの活用ハードルは結構高いと認識しています。というのも、組織に属している以上、希望部門への異動というのは何かしらの実績や交渉材料がないと、なかなか2つ返事にOKとはならないものです。そして異動したからと言って、大きな組織の細分化された担当業務スコープの業務が、FASの希望部門と親和性が高いとは限りません。大手事業会社の経理財務や経営企画からBIG4 FASに移られる方は、その部門へ所属するために既にUSCPA等の取得をされていたりするケースが多いように思います。また、業界のトッププレイヤー出身であるケースがほとんどであり、新卒でBIG4 FASに入れたのでは?というハイスペックの方が多いです。したがって、このスキームの対象者はごく限られており、スキーム活用の難易度自体も比較的高いと認識しています。

まとめ

いかがでしたか?正しいベクトルで努力をすれば誰でもBIG4 FASへのジョインは実現できるという印象を持っていただけたのではないでしょうか。近年日本においてもM&Aが受け入れられてきてその件数も増加しているので、FAS人材になっておくことはキャリアの選択肢として悪くないと考えます。また、その後のキャリアを拡げるきっかけにもなるので、対象外だと思って検討していなかった方がいらっしゃるとすれば、これを機に是非FASのキャリアを検討してみてください。

みやび
みやび

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