当記事では、ラージキャップのPEファンドに所属するメンバーの前職について書いてみたいと思います。分類等に係る前提は以下のページでご確認ください。
ラージキャップPEファンド：中の人の前職まとめ
ミドルオフィスやバックオフィスに該当する部門、顧問等に該当するシニアメンバーについては、ホームページ上把握可能な範囲で集計から除外しています。また、ファンドメンバーの情報は各社のホームページを参照しており、ホームページにて開示されていないファンドについては集計に含めていません。更に、グローバル展開している外資系PEファンドの集計対象は日本オフィスに所属するメンバーのみとしました。
ラージキャップ全体
ラージキャップ全体（n = 232）で見ると「外資系金融機関」がトップとなりました。次いで「戦略コンサルティングファーム」、「PEファンド」、「日系金融機関」と続きます。ラージキャップのPEファンドは、実に70%以上が上記の分類に属する法人出身者で構成されています。
前職がPEファンドという方の旧所属ファンドはばらつきがあったため示しませんが、外資系金融、戦コン、日系金融の分類については特定の法人数社でマジョリティを占めている等一定の傾向が見られたため集計してみました。
外資系金融機関については、ゴールドマン・サックスやメリルリンチをはじめとするトップクラスの就活生にも人気の金融機関が並んでいます。言うまでもないかもしれませんが、出身部門はほぼ投資銀行部門でした。その他には、シティグループやドイツ銀行が含まれています。
戦略系コンサルティングファームについては、「MBB」と呼ばれる戦コントップファームが80%以上を占める結果となりました。その他含め日系の戦略ファームの名前は見られなかったため、外資系ファームでグローバルに活躍できる人材が求められているようです。
日系金融機関については、野村證券とみずほ証券の投資銀行部門で50%以上を占める結果となりました。大和証券やSMBC日興証券は意外と少なく、三井住友銀行や日本長期信用銀行（現新生銀行）が証券2社のあとに続いています。長銀出身者はBIG4 M&Aアドバイザリーファーム（FAS）においても複数名見られ活躍されているので、優秀な方が多い印象を持っています。
以下で外資系、独立系等の分類別にも見ておきたいと思います。
ラージキャップ外資系
ラージキャップPEファンド外資系に所属する方の前職は以下の通りです。外資系金融と戦コンで50%以上を占めており、PEファンドや日系金融があとに続きます。それ以外の職種からのジョインは極めて少なく、中の人の前職データからもレベルの高さを認識させられます。
ラージキャップ独立系
ラージキャップPEファンド独立系に所属する方の前職は以下の通りです。日系金融が最も多く、FAS、外資系金融、戦コンと続きます。外資系金融、戦コンは25%程度と多いものの、日系金融機関やFAS出身者が活躍しているという結果となりました。ポラリスやティーキャピタル等日系が金融機関から独立したPEファンドであることを踏まえると日系金融機関出身者が多いのは自然なことだと考えられます。
FASについては、BIG4 FASの他にGCAやレコフ等が含まれています。総合コンサルティングファームについてはアクセンチュア（戦略）やデロイトといった総コンの中でも力のあるファームの出身者がラージキャップの独立系PEファンドにジョインしています。
ラージキャップ金融機関系
ラージキャップPEファンド独立系に所属する方の前職は以下の通りです。金融機関系と言うだけあって日系金融機関出身者の割合が多く、PEファンド、FAS、戦コンと続きます。PEファンドについては、ラージキャップ～ミドルキャップの独立系PEファンド出身者が多くを占めています。
まとめ
ラージキャップのPEファンドにジョインする方の経歴はやはり立派であり、集計しながら圧倒されてしまいました。学歴に関しても学部は東京大学、慶応早稲田等が多く、その後有名海外大学院でMBAを取得されている方がたくさんいらっしゃいました。一方で、会計士等のビジネス資格を保有している方は少数であり、実力で勝負されている方がほとんどなのだという印象を受けました。
BIG4 FASや総合コンサルからラージキャップPEファンドを狙うのであれば、独立系や金融機関系になってこようかと思います。それでも圧倒的狭き門なので、現職でしっかり実力をつけ、面接等の対策を十分にした上で臨むべきだと思います。また、外資系へ直で行くルートはほぼないと考え、独立系ファンド等で経験を積んだ上で外資系PEファンドへ挑戦するというのが現実的なところなのかなと推察します。
以上です！
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