転職希望者必見:BIG4グループ別サービスラインまとめ

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当記事を閲覧される方で四大会計事務所(BIG4)って何?という方は少ないと思いますが念のため記載しておきます。BIG4は次の4グループのことを指し、それぞれ、監査、税務、コンサルティング、フィナンシャルアドバイザリーサービス(FAS)等のサービスラインを有しています。1つの法人で複数のサービスを提供しているグループもあれば、法人ごとにサービスを分けて提供しているグループもあります。

  • EY
  • KPMG
  • Deloitte
  • PwC

自身が所属するファーム・部門と業務上の関わりがないと、中にいてもどこでどんなサービスを提供しているのかなかなか見えにくいもので、ましてや外から見るともっとよく分からないと思います。私は新卒就活や転職活動時に、自身が受けようと思うファームのホームページを見ましたが、正直どのファームのページも見やすいとは思えませんでした。どこに何が書いてあるのか分かりづらく、何をやっているのかという部分についてもつかみづらいと感じました。

そんな理由もあってかそれなりの頻度で、どのファームでどういったことができるのかという質問をリアルでもSNSでも受けます。なので今回は、ざっくりではありますが各グループのどの法人で何のサービスを提供しているのかまとめてみることにしました。

可能な限り情報収集をして正確に書くよう心掛けておりますが、その正確性を保証するものではありません。企業研究の足掛かりという位置づけで当記事を利用いただけると幸いです。

BIG4グループ別サービスラインまとめ

BIG4各社とサービスラインマトリクス

今回各グループのサービスラインをまとめるにあたり、監査、コンサルティング、FASに関連する法人・サービスを対象としました。税務や法務サービスを提供している法人、その他特定の業務に特化した法人は対象から外しています。

各グループ下記の通り整理しています。濃い色で塗ったセルが、左に並べた法人が手掛けるサービスとご認識ください。法人の略称については各グループの章で記載をしています。

EY

EYは、BIG4の中ではユニークな組織構造となっています。過去にEY新日本(監査法人)のアドバイザリー部門とコンサルティングファームを統合してEYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社(EYAC)となり、その後2020年10月にFAS機能を有していたEY TASと一緒になってEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)という名称となっています。つまり、監査法人には純粋な監査機能を残し、アドバイザリーサービスのほとんどをEYSCに移管しています。また、EY TAS傘下で2018年3月より日本で戦略コンサルティングを提供しているEYパルテノンもEYSCに組み込まれており、EYSCはコンサルティング及びアドバイザリーサービスを幅広く提供するファームとなっています。

FASという切り口でもう少し書いておくと、EY TASは他グループのFASと比較すると提供サービスは少なかったと認識しています。しかしながら、EYパルテノンにごく少数だったEY TASのストラテジー部隊を統合し、戦略コンサルティングやPMI、事業再生等のサービス提供が可能となりました。

フォレンジック(不正会計調査)についてはEYSCに組み込まれることなく、EYフォレンジック・アンド・インテグリティ合同会社(EYFI)として存在しており、設立が2019年ということもあって今後の統合もないと思われます。

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Deloitte

Deloitteは、他社と比べると早い段階から監査よりもアドバイザリー/コンサルティングといった非監査領域に力を入れてきたファームです。マトリクス表上のトーマツ(監査法人)において、アドバイザリー関連領域は財務デューディリジェンス(DD)のみをプロットしていますが、その他財務関連アドバイザリーサービス(国際会計基準導入や決算早期化、経営管理に係るアドバイザリー業務等)を展開しており、求人も各専門領域ごとに出されています。

コンサルティング領域は、デロイトトーマツコンサルティング合同会社(DTC)にて担っており、戦略コンサルティングについては2013年にDeloitte傘下となったモニターグループが手掛けています。モニターはFASのストラテジーチームと同様ビジネスDD等も提供しているため、FASのフィナンシャルアドバイザリー(FA)チームに在籍していると一緒に仕事をすることがあります。

デロイトトーマツフィナンシャルアドバイザリー(DTFA)に関しては、PwCやKPMGと同様にFAS領域におけるフルラインナップを揃えるファームと理解しています。コロナ禍において公共案件を受注する等して話題になりましたが、2020年のM&Aリーグテーブルで他BIG4に圧倒的差をつけて掲載される等、組織及び業績拡大に向けて戦略的に動くファームであると認識しています。

モニターグループは、1983年にハーバードビジネススクールの教授らが設立した戦略コンサルティングファーム

PwC

PwCグループにはあらた監査法人と京都監査法人という、2つの監査法人が所属しています。前者が大手監査法人、後者が準大手監査法人という位置づけであり、規模感が大きいように勘違いしそうになりますが、BIG4監査法人の中では日本国内におけるプレゼンスが最も低いファームになります。それ故独立性の影響については他BIG4と比較すると受けにくく、アドバイザリー/コンサルティング等の非監査領域に力を入れているファームと認識しています。

監査法人2社については規模こそ小さいものの、中央青山監査法人時代の不祥事の教訓を活かし、監査のクオリティは厳しく保とうという意識が強いように思います。提供サービスは言わずもがな監査ですが、財務会計やリスクに係るアドバイザリー業務も手掛けており、財務DDも業務スコープに入っていると認識しています。

コンサルティング領域に関しては、Deloitteと同様戦略チーム(旧ブーズ・アンド・カンパニー)を2014年に買収して保有しており、Strategy&として戦略コンサルティングサービスを提供しています。

FASに関してはPwCアドバイザリーにてフルラインナップを提供可能であり、事業再生やクロスボーダーM&Aに強みを持って事業展開していると認識しています。

ブーズ・アンド・カンパニーは、米国で1914年に設立されたブーズ・アレン・ハミルトンを前身とする戦略コンサルティングファーム(2008年に発足)

KPMG

KPMGは、DeloitteやPwCと同じような組織構造となっています。唯一特徴的な点を挙げるとすれば、他BIG4が戦略コンサルティング部隊を外部調達して保有しているのに対し、KPMGはそういった動きをしておらず、その機能をコンサルティングファーム内に有していないことです。戦略チームのようなものはあるようですが、他社のストラテジーチームと比較するとプレゼンスは低く、戦略案件はKPMG FASのストラテジー部門で受けているのが実態だと理解しています。

あずさ監査法人においては、あらたやトーマツと同様監査部門とアドバイザリー部門に法人内で分かれており、アドバイザリー部門の中で財務DDを担っています。そのため、FASの財務DD部門と案件を食い合う形になりますが、これは他の法人も同様です。一方で、上述の通りコンサルティングとFASの間でビジネスDD等戦略案件を食い合うことはないため、その点シンプルで平和な組織構造であると言えます。

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まとめ

いかがでしたか。監査法人のアドバイザリー部門やコンサルティングファームにおいては、詳細を見ていけばもっと色んなサービスが展開されています。当記事は全体的な組織構造を示す趣旨で書いているため細かい部分には言及していませんが、当記事を更なる情報収集に活用いただけると幸いです。

みやび
みやび

他にもBIG4に関する記事を書いております!
是非ご参照ください!!

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