M&Aアドバイザリーファームの転職面接時にユニークなケース面接を受けたので、紹介したいと思います。
これは、BIG4某ファームの一次面接で受けた課題です。
特にケース面接があるという旨のことは通知されていなかったので、これから課題をやってもらいますと言われた時は少し驚きました。
それでも新卒就活時にそれなりにケース面接は経験していたので、思い出しながらやるか~等とのんきに思っていました。
が、私の目の前に提示されたのは何の会社か全くわからない以下の財務諸表と関連データ。
- 貸借対照表(BS)
- 損益計算書(PL)
- キャッシュフロー計算書(CF)
- 在庫関連データ
在庫データを見ると仕掛品等が記載されていたので、パッと見て「何か」を製造している会社ということだけは分かりました。
ケース面接課題
課題①:財務分析
「この会社の問題点を出来るだけ多く挙げてください」
1つ目の課題は、財務諸表等を見て、その会社の問題点を列挙せよというもの。回答のために与えられた時間は10分程度でした。
私はそれまで、実務の中で財務分析をした経験はありませんでしたが、USCPA(米国公認会計士)試験のFAR(財務会計)を思い出しながら、下記について確認しました。
- 流動比率
- 運転資本項目の回転期間
- キャッシュ/キャッシュライクアイテム
- デット/デットライクアイテム
- D/Eレシオ
- 歩留率
- 営業・投資・財務キャッシュフローの関係
- 営業利益・経常利益・当期利益の水準
当時の私が10分程度で確認できたのはこれくらいでした。PLは単年度のものしかなかったですし、あまり分析の余地がなかったので、BS項目を中心に分析するようにしました。
また、在庫データの使い方については全く検討もつかなかったので、歩留率を確認する程度のことしかできませんでした。
上記の確認項目から言える内容をまとめて、面接官に発表しました。「他には?」等というコメントはなかったところを見ると、それくらいの分析で一応及第点だったということなのだと思います。
課題②:フェルミ推定
「この会社は○○県で△△を製造する会社です。○○県における△△の市場規模を求めてください」
おそらくそのファームのクライアントだったと思うので、個社名の特定に繋がる部分は記号としました。
同じ問題が出題される可能性が低いのと、こんな課題が出たよ、というのを紹介するのが趣旨なので記号部分の言及についてはご容赦ください。
補足:製品△△は日本全国で使用されるもので、毎年一定の需要はあるものでした。しかし、今後成長が見込めるかというと全くそんなことはなく、既存のマーケットにおいて競合同士がパイを取り合うような状況でした。
さて、これはよくあるフェルミ推定の問題です。在庫データには製品1単位あたりの単価までは記載がなかったので、仮定を置いて淡々と計算しました。こちらも所要時間は10分程度でした。
普段手に取るような身近な製品ではなかったので、「需要が生じる状況」を切り口に因数分解をしていき、そこで必要な単位数を見積もるアプローチで考えました。フェルミ推定のアプローチとしてはベタな方法ですね。
私の基本的なスタンスとして、計算過程を発表しつつ、面接官の反応を見ながらちょっとずつ修正をしていくのですが、その時もそれで対応しました。そもそも当時のフェルミ推定で算出した数値結果が感覚値よりも大きかったので、「これが私の考えです」と言い切るのは危険だと判断しました。
結果として面接官とうまくコミュニケーションを取りながら、納得感のある数値に落とし込むことができました。
まとめ
いかがでしたか?マスキングした箇所もありますが、ユニークなケース面接の雰囲気は掴んでいただけたのではないでしょうか。
あまり対策のしようがないケース面接課題ですが、普段からこの会社の財務状況ってどんなだろう?と有価証券報告書等を確認していれば、サクサク答えられる課題かもしれませんね。
因みに、この面接の結果は翌日に「選考通過」という形で通知をいただきました。楽しめる内容の面接&嬉しい結果だったので、良い思い出になりました。
FAS/TASの面接を受けられる方は当記事を参考に、是非内定を勝ち取ってください!
BIG4 FASでの圧迫面接の話はこちらに書いています!興味のある方は是非チェックしてみてください!
以上です!
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