会計入門:何故会計は理解しづらいのか?

FAS実務

皆さんは会計が得意ですか?私は今でも胸を張って得意です!とは言えませんが、少なくとも苦手ではありません。しかし、学習を始めた当初はとても苦手でした。

新卒入社したコンサルティングファームの入社前課題として、簿記2級相当の会計知識を身に付けておくこと、というのがありました。そこで初めて、一般教養でも1ミリも触れたことのなかった会計に、向き合わざるを得なくなったのでした。

何からしたら良いのか全く分からなかった私は、指示に「簿記2級相当」とあったのでとりあえず簿記2級のテキストを買ってきて読み始めました。が、全然分かりません。

仕訳をしてみましょう!と簡単な仕訳から始まってどんどんいろんな仕訳例が解説されていきます。「これは右で、これは左で、、、何これ丸暗記?丸暗記苦手なんだけど。。。」と絶望したのを今でも覚えています。

まず、何故資産と費用が左で、負債と収益が右なの?とそこでつまずきました。

資産が左、負債が右等のルールは、そこに一定のロジックがあるわけではなく、昔から商人がおこなってきた「慣習」に基づくものなのだそうです。

簿記テキストの内容が理解できない理由

勉強しているときは必死で会計の全体像も見えていなかったので分からなかったのですが、今になって考えると、私が簿記のテキストで理解できなかった原因はこういうところだったのかな、というのが整理されてきました。その内容について触れてみたいと思います。

ボトムアップアプローチ

私が簿記テキストを使って学習していて思ったのは、「この膨大な仕訳を覚えて結局どうなるんだっけ?」ということでした。もちろん頭では、貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)が出来上がるんだろうなというのは理解しています。しかし、ひたすらこれは左でこれは右で、という仕訳を覚える作業の中でBSやPLに繋がっていくんだというイメージが持てずにいました。

そもそも何がBS項目で何がPL項目なのかということすら曖昧な状態だったので、イメージが持てるはずもなく、、、という感じです。

簿記のテキストはボトムアップアプローチです。収益費用等に関して、基礎知識なしに説明するのは困難であるために、まず仕訳に慣れ、その上で上の階層の話をするという構造になっています。このテキストの構成のおかげで私はいつの間にか、「木を見て森を見ず」の状態にハマってしまったのでした。

収益費用アプローチ

収益費用アプローチに対して、資産負債アプローチと呼ばれる貸借対照表からのアプローチが存在します。日本の会計テキストの多くは、損益計算書をベースにアプローチする収益費用アプローチが採用されています。具体的には、トップラインである売上から原価、営業費用、営業外費用を差し引き、法人税を調整した後に残った当期純利益、これがBSの純資産の部に利益剰余金として積み上がっていきますよ、という考え方ですね。

この収益費用アプローチによって、PLとBSの繋がりは理解できます。しかしこの方法だと、利益剰余金以外の純資産項目については、1つ1つ追加的に理解していく必要が出てきます。全体像が見えないままに積み上げ(ボトムアップ)で純資産を理解していくことになり「で、結局純資産って何?」となってしまう原因でもあると感じます。

この後でも触れますが、純資産というのは会計初心者にとっては非常に分かりづらい概念です。

純資産という差額概念

資産負債アプローチで見た場合の純資産とは、資産と負債の「差額」です。これは簿記のテキストにも最初の方で触れられている内容だと思います。この解説でなるほどー!と思う人っているのかな?と、会計学習を始めた当初は思ったものです。

簿記のテキストを何度読んでも「純資産」が一体何なのか、私にはよく分かりませんでした。一応言葉として理解したのは、純資産は資産と負債の「差額」であり、「実在しない」ということでした。

簿記のテキストにおいては、差額でしかない割にはその内容について結構しっかり解説されていて、「資産-負債」で求められるものを積み上げ(ボトムアップ)で理解する構成になっています。

この差額にフォーカスをし、ブレークダウンしていけばもう少し理解も深まるだろうと思うのですが、収益費用アプローチのテキストベースでは、差額概念である純資産と、純資産に係る個々の仕訳の積み上げが、私の頭の中ですっきりリンクすることはありませんでした。(下図:理解のイメージ)

まとめ

その他にも、会計を学習していく上での疑問点はたくさんあると思います。ある程度会計が分かっていればつまずかないようなことでも、会計初心者は疑問を感じてつまずきます。

国内に出回っている会計学習テキストの多くは、この初心者の些細な疑問を解決してくれません。ひたすら慣れましょう!というアプローチであり、私自身心を無にして訓練をし、問題は解けるようになりました。しかし結局それは真に分かったということではなく、学習当初に抱いた疑問は解決されませんでした。

以下の記事で、私が上述のもやもやポイントを解消できたアプローチを紹介しております。参考にしていただけると幸いです。

以上です!

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