低金利が続く中、コロナショックによって更にこの金利水準が継続することが予想されています。
そんな中、テレワーク等の普及によりライフスタイルの見直しをされ、住宅購入を検討される方も多いのではないでしょうか?
今回は住宅ローンの変動金利について記事を書いてみたいと思います!
住宅ローン:変動金利が勧められる2つの理由
金融機関勤務の友人の話によると、住宅ローンは基本的に固定金利ではなく、変動金利で組む方向で持っていくそうです。何故でしょうか?主な理由は2つです。
支払額を安く表示できるため
一般的に、変動金利の方が固定金利よりも利率が低く、それ故変動金利の方が月々の支払額を安く見せることができます。
営業の原則はやはりお得感を示すことです。金融機関も商売なので、お金を借りてもらって利息を得たいと思っています。
借り入れる側は特定の金融機関だけでなく、複数の金融機関から提示される金利や手数料を総合的に勘案し、どこの金融機関で借り入れをおこなうか決めるのが通常だと思います。
そのため、何れの金融機関においても、数ある金利商品の下で最も低金利であることを示せる変動金利で勝負をします。
A,B,C銀行があって、それぞれ最優遇変動金利として0.50%, 0.45%, 0.60%を提示してきている中で、うちは固定金利で1.00%なんですよーと言ってくるD銀行を直感的に選択する人はいないと思います。
この例からも分かるように、他社が変動金利で提示しているのでうちも変動金利で、となり、結果としてどこで照会をとっても変動金利で提示される、というわけです。
また、不動産仲介業者としても、住宅を売る際顧客に提示する月々の支払金額は安い方が営業しやすいですよね。私が住む賃貸にもよく物件情報が書かれたチラシが投函されていますが、金利は変動金利が採用されています。
「不動産仲介業者で見せられた金利は低かったのに金融機関では高いんですね」なんて顧客から言われると目も当てられないので、不動産仲介業者が示す金利と整合させる意味でも、変動金利を提示する方が、金融機関としても都合が良いのでしょうね。
金利変動リスク回避のため
お金を貸す銀行側から考えた場合、貸付期間に渡って金利を固定化してしまうと、将来の金利が上昇したときにその金利上昇分の恩恵を受けられません。
上でも少し触れましたが、金融機関は普通の民間企業と異なり、お金を貸し、そこから得られる利息が収益の源泉の1つです。なので、金融機関の損益計算書を見ると、一般事業会社において営業外収益とされる受取利息にあたる勘定科目が、営業利益に含まれています。
営業利益には、その会社が柱とする事業の損益が含まれる、つまり先に書いた通り、金融機関においては、貸し付けたお金から得られる利息が重要な収益の1つなのです。金融機関もボランティアではなく、その経営を継続するために利益を追求しなければならない一企業組織なので、当然、将来にわたって受け取れる利息は高い方が良いわけです。
目先のことを考えると、固定金利を勧めることの方が合理的に思えますが、例えば優遇金利考慮後の今の固定金利が1.0%で、変動金利が0.5%の場合でも、10年後には、変動金利が2.5%となっている可能性もあるわけです。その場合、10年前の金利水準で固定化された固定金利1.0%よりも、変動金利2.5%の方が、金融機関が受け取れる利息は多くなります。
ここまでの内容を簡単にまとめると、金利変動のリスクを金融機関側で負うのが固定金利、借入人側で負うのが変動金利です。何かを「負う」というのは、「何らかの義務が発生している=ネガティブであること」は、感覚的にもご理解いただけると思います。
金融機関が金利変動のリスクを負うのを避けたいと思うのは、自然なことなのです。
まとめ
いかがでしたか?変動金利がオススメされる理由については理解いただけたかと思います。
念のため申し上げておきますが、私は変動金利よりも固定金利の方が金利変動リスクの観点からオススメ!ということを主張したいわけではありません。
住宅ローンには、変動金利、固定金利、固定金利選択型等がありますが、それぞれのメリットデメリットがあります。今回は変動金利にフォーカスして書きましたが、当記事の内容を、住宅ローンを組む際の意思決定の材料にしていただけると幸いです。
以上です!
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